現在、アカハナグマは日本のペットショップで買うことのできる動物です。
しかし簡単に入手できるからといって、飼育が容易という訳ではありません。
今回は、アカハナグマのお迎えを考えておられる方向けに、特にどのような点で飼育が難しいかについて、お伝え出来たらと思います。
飼育が難しい理由① 牙の大きさと鋭さ
インターネットでアカハナグマを調べても、口を開けている写真は少なく、牙というのは気づきにくい点だと思います。
こちらは我が家のルシカ(1歳1か月)の牙ですが、おそらくまだ成長途中です。
成獣の牙の大きさは、飼い主自身、アカハナグマをお迎えしてから気づいたことでした。
大人になったアカハナグマがどんな感じか、お迎え前に見ておこうと、動物園等にも見に行ったのですが、そこまで牙に注目していなかったのです。
海外の飼い主さんが、抜いたアカハナグマの犬歯をインスタに上げられていたのを見たのは、ルシカお迎え後のことでした。
(海外だとアカハナグマをペットにしている人も多いです。)
その写真の牙があまりに大きかったので、「嘘だろ!?」と思いあらためて調べたら、実はけっこうな大きさになることに気づきました。
下↓のリンクから、海遊館のパプリカちゃんの牙が見れます。
お迎えを考えられている方には、お迎え前にぜひ一度見ていただきたいです。
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オスだけ大きくなるのかも…と淡い期待も抱きましたが、パプリカちゃんはメスのようです💧
オスの方が大きくなるみたいですが、メスでも立派な牙になるようです。
この牙で本気噛みをされてしまうと、かなり危険だと思います。
ただ、牙の大きさに注目するなら、犬もよく見れば大きな牙を持っています。
犬たちは、人間を傷つけようとすれば本当は簡単だけれども、人間を信頼していたり、性格が優しいので傷つけないだけなのです。(犬種にもよりますが。)
その点では、アカハナグマだけが危険な動物、という訳ではないのでしょうが、アカハナグマは犬と比べてだいぶ気性が荒いし、「人間に対する基本的な信頼」のようなものが遺伝子に染み付いていないので、信頼関係を築くにも根気が要ります。
また、犬の牙は先が丸みを帯びていますが、アカハナグマの牙は鋭く、切れやすいです。
それから、犬や猫は噛みつく前に唸って威嚇をします。
噛むまでに一段階はさむことで、実際の衝突を避けているのです。
アカハナグマも、一応、噛みつく前の予兆は読み取ることもできるのですが、犬や猫のように分かりやすくないため、実際に噛まれてしまう危険性が高いです。
(アカハナグマが噛む場合の予兆と対策については、こちらの記事に詳しく書いています↓)
![](https://akahanaguma.com/wp-content/uploads/2021/09/img_2182-e1630832223211-160x90.jpg)
普段から接する中で、飼い主の方が扱いに慣れていく必要があるし、家族など接する機会がある人にも周知することで、事故を未然に防ぐようにしなければならないと感じます。
また、たとえば小さなお子さんのいるご家庭など、リスクが大きいと思われる場合には、アカハナグマではなく犬を飼うなど、「ペットとしてアカハナグマを選ばない」ということも、事故を未然に防ぐための一つの判断であると思います。
飼育が難しい理由② 発情期の気性の荒さ
我が家のルシカは1歳になったばかりのメスで、今のところまだ発情の様子はありません。
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オスのハナグマは性的に成熟すると非常に攻撃的になる場合があります。攻撃性をいくらか抑制するために、生後6か月になる前に去勢を行うことを勧めます。メスはヒート(発情)の時期に攻撃的になる可能性があります。より穏やかな気性のハナグマにするためには、避妊手術をしてください。
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ハナグマは1歳になる前に去勢手術または避妊手術を行う必要があります。そうしないと、攻撃的になり、取り扱いが非常に困難になります。
上に取り上げた2つのサイトは、生後6か月以内~1歳までと時期は異なりますが、「発情期を迎えると扱いにくくなる」という考え方は一致しています。
その他、飼育が大変な理由
牙の大きさ、発情期の気性の荒さの2点が最も気を付けるべき点だと思いますが、その他にも大変な点は多くあります。
特に、爪の鋭さ、力の強さ、運動能力の高さは、ルシカが小さい頃から大変だったので、こちらの記事にまとめています。
![](https://akahanaguma.com/wp-content/uploads/2021/08/img_1892-160x90.jpg)
また、食べ物についてや、預ける際など、その都度ぶつかる壁も多いです。
そういったことについても、「大変なこと」カテゴリーにまとめていこうと思います。
食器の破損、食べ物の盗難、カーペットの尿のしみ、ソファの後ろの糞、軽度または重度の傷(噛まれた手や、所有者の顔の引っかき傷など)は、飼いならされたハナグマを家に置いているときの典型的なアクシデントです。 丈夫な革手袋は、ハナグマと人間との衝突があった場合の優れた保護具です。
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野生のハナグマの危険性
野生のハナグマの危険性について書かれた記事があったので、こちらも貼っておきます。
![](https://akahanaguma.com/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/b2c6c7d4cdb1961b68ea6551919530a2.jpg)
こちらは野生のハナグマが群れでいる場合の話なので、普段からペットとして人と暮らしているハナグマとはまた少し違ってくると思いますが、「そもそもハナグマにはそういった危険性がある」ということは頭に置いておく必要があると思います。
とくに、
・食べ物を持って近づくと危険
・牙と爪が危険
ということは、その通りだなと感じます。
結論
アカハナグマは、可愛くて、賢くて、愛情深くて、素晴らしいペットになり得る生き物です。
でも、大きくて鋭い牙を持ち、発情期になると攻撃性が増す可能性もあり、実際に野生のハナグマが多い地域では「近づくと危険な生き物」として扱われている例もあります。
飼育許可も必要なく、ペットショップで入手できる動物ですが、実際にお迎えをされる前に、そういった飼育の難しさについてもぜひ知っていただきたいと思います。
アカハナグマについての情報はあまり出回っていないため、これからも、実際に飼ってみて感じていることをお伝えしていけたらと思います。
どこかで誰かのご参考になれば、嬉しいです。
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